過去の仕事 エステ『女の戦い』①
10年以上前の事、エステサロンで約7年間勤務していました。
この仕事は辛い事が本当に多かった。
しかし、辛いからこそ自分で考えて常に試行錯誤していました。
この職業は、私が社会人になって唯一、紹介等ではなく求人誌を見て応募した会社。
応募理由は
①日曜日が休み(これまで1度も日曜休みの職場で働いた事が無かった
②美容関係で、業務内容が初心者の私でも出来そうだった
③待遇、主に給与が良かった
しかし、当時のエステサロンは押し売りは当たり前、ノルマがあるのは当たり前、軟禁状態で契約するまで帰れないというお店がほとんどで、新人は研修費用という名称で高額のローンを組まされる事も多く。
倒産するサロンも多く、結局2,3ヶ月給与を貰えずに辞めたという人もいる時期でした。
幸い私の入社した会社は、優秀な販売スタッフがいるのでノルマなどもなく、社員がローンを組むという事もないサロンではありましたが。エステティシャンは現在も国家資格がなく、法的にもグレーゾーンと言われている分野で、夜の仕事と兼務している人も多い時代でした。今のように専門学校もありませんでしたね。
≪基本の流れ≫
入社して初めの1週間は本社で基本のペーパーの研修
ペーパーに合格したら、現場で見習いと営業時間前後の研修
3か月間の研修後に、社内での試験を受けてそれに合格したらお客様に入るという説明で現場に入りました。
それが・・・なんと話がことごとく違っていた
ペーパーの研修開始当日,5名で開始。予定通りの日程だったのですが、1日ごとに一人ずついなくなって最終日には私1人になっていました理由は判りませんが、5人の内3人は経験者だったのですが。
そして、現場に配属されたのが5月の3週目
急に新店舗を増やした様で人手が足りていない様子
研修中の私は、洗い物や部屋の片づけその他諸々の雑用をこなしていました。
そこで私は困る事件が多発・・・
①人手が全く足りていないのに受付カウンターに立つように指示が
(しかし、新人なので電話を取ってはいけない、物販もしてはいけないと、副店長から強く言われていました)
そんな私がカウンターにただ立っていたら、待合室のお客様から白い目で見られ続けました。
そこにある化粧品がほしいのに、私はリピートのお客様にさえも売ってはいけない。しかも、ずっと電話がなり続けているのに電話に出てはいけない
これ、かなりキツイです。お客様にも電話鳴ってるのにとらないのと、何度か言われ私も、ケースバイケースで対応するので、取りあえずなっている電話に関しては取りたいとお願いしましたが返事は『なに言ってんの?新人のくせに』との回答。
では、出来る事が無いのであれば受付カウンターではなく別の場所に立ちたいとお願いしてみるとこれも『ダメ』
なにか深い理由があるかと思いきや、隣に居るゼネラルマネージャーに聞くと特に意味は無いと思うけど、私と仲が悪いから、上司の私が言っても彼女聞かないわよ絶対と軽~く流されました。
貴女が仕事出来そうなのは話をしててわかるし、私は貴女の事結構気に入ってるんだけどね~~とだけ言われました。ゼネラルマネージャーは仕事は出来るんですが、他人に興味がない人で常にこんな感じ副店長より数段役職は上なのに~~
で、ダメダメづくしで日々過ごしていましたそして、突如5月の最終日に10名居るこの店舗のスタッフが3名退職すると言ったのです(辞表は提出済で、この日までと知らなかったのは私だけ)
人手不足な上に、さらに3名辞める・・・かなり異常な事態なんじゃと心配していると案の定、副店長が私に電話応対の練習を明日やってOKなら電話に出て良いと。
当然1発(私、ホテルのフロントでも一応勤務していたしこれまで接客業を5年以上やっていました)
そして、他にも残り2か月分の研修を2週間でやると言い出したのですマジですか?という感じ。
しかし、副店長は平然と『出来るだろ』と。ヘビースモーカーだし、この人絶対元ヤン電話応対も・・・・。でも一番怖いのは確か。
スタッフはゼネラルマネージャーだけが40代であとは全員20代。
スタッフ全員がパソコンがほぼ使えない。予約の管理画面をマウスでピコピコする位。
そんなこんなで2週間、毎日鬼の様な顔で大声で怒鳴られながら(副店長、上下関係超キビシイ)。なんとか、2週間で1人で施術に入れるまでになりました。そして、今度は10日間で美顔に入れる様になれと。人がいないからやるしかないと言われやりました。しかも、最初のお客様の時なんて施術にはいる10分前に『人が居ないからあんた入って』といわれて、その指定された商材を見るのも使うのも始めての私だめだ・・・絶対クレーム入ると覚悟して施術開始。
しかもスペインかフランスの商材(裏説明、何語?)。10分間で、カウンターのPCで商材の特徴と重視する点を即プリントして、施術中の足元に置いて施術開始。問題はパックの時におきました。ふき取りタイプのパックなのか乾かせてペリペリ剥がすタイプなのか判らない全員施術中で誰にも聞けない
仕方なく、どちらのタイプでもギリギリいける位の厚みでスパチュラで顔全体にパックを塗布して、エステ歴5年のスタッフの部屋にカンペをみせて『○○パックはどちらですか?①ふき取り ②剥がし ①なら首を縦に②なら横に振って下さいと
そして、正解は①のふき取りでしたが、私ふき取りタイプを人生で1度も使った事が無い。なんとかごまかしごまかし仕上げました時間もギリギリピッタリの90分。未熟さがばれない様に、ゆっくり会話をしながらホットタオルを使用して基本より長めのマッサージもしました。
クレームなし。副店長は『出来て当然だろ』的な感じ。しかし下っ端なので、片づけ、雑用バンバンやります
なぜ辞めなかったか?
取りあえず新社会人ではないので、3ヶ月はやってみないと何事もわからないと思っていたから。当時24歳位だったので25歳迄には自分が今後やる仕事を決めようと思っていました。また、上司に不満があるのは部下だから当たり前。不満があるなら自分でその人を追い抜くか、抜けないならば従うという方程式が頭の中にあったからですかね~~。
そして3か月目、今度は全店舗休みをとり2泊3日で海外研修に全員行くと(費用は全額会社持ち)
えっ・・・私まだ研修期間なんですけどと店長に言うと、本社に連絡してくれて入社3ヶ月以内のスタッフは自由参加という事では、今回は自宅で自主トレしておきます。と、伝えると今度は中北部地域のゼネラルマネージャーが来たんです『あんた、なんで行かないの』と言いに。この方も絶対元ヤン みんな行くんだから行けよ。といっている様子だったので、もう訳がわからなくて行きます。と返事をしました。
今度は研修から帰ってくると、また全店舗に新入社員が入ってきました。
私は研修期間が終わり入社から4か月目で訳の分からない事にも慣れてきていました。
雑用も新人さんに引き継ぎ、皮膚理論や酸素を使った美顔、機械を使った痩身に勉強する内容も変わってきた頃、新たな事件が起きました。私の事を初めから気に入ってくれていた研修の時のトレーナーと同じ店舗に居たゼネラルマネージャーが私の事務処理と接客能力を気に入ってくれた様で、なんと昇格してしまったのです。
昇格は年に4回査定があるらしく(査定詳細は明らかにされていないので、多分上司の好みかと・・・)昇格も本社での全体集会で、表彰の様な形で行われ、こんな最短でしかも経験者でもない私が昇格してしまい、またまた私が他店舗の人達から『なんなの新人のくせに自分達の店舗からは昇格がでてないのに』という冷ややかな目線の中で、表彰され今後の抱負を言わされました。
初めて会った人にも嫌われる事があるなんて、この時初めてしりましたただ、毎日言われた事をこなし、周囲より若干事務処理が出来たので本社の人達からの好感度が高かっただけだと思うのですが。
そして、全店舗毎月の様に1人・・・また1人と退職していき、入社して1年半くらい経った頃、またまた業務拡大するとの事で店舗が2倍以上の床面積の場所へ移転。またまた、昇格してしまいました、今までの色々な会社とはカラーが違いすぎて、辞めたいという話をすると、なぜか社長室に呼ばれ退職したい理由を聞かれ、君はこれまでの社員とカラーが違うから残れば必ず幹部クラスになるから、次回の人事で昇格の予定もあり、君も後輩達を残して中途半端な時期に退職して君自身はいいのか?的な話をされ、確かに後輩の事はもう少しなんとか、せめてあの副店長にももう少し後輩や周囲の話を聞いもらえるようになってほしい私と4歳位しか違わないし、と考え一旦辞表は取り下げました。
しかし、エステサロンは販売に応じて歩合がつくので、その奪い合いも激しく、個人売り上げも昇格の基準の一つになっていました。
ゼネラルマネージャーは営業成績がいいので、毎月8時間勤務で月収¥800,000位ありました。
社員のやる気を出す為という考えから、全員の給与が毎月貼り出されてました。
その貼り出しに納得いかず、また給与の査定方法は明確でない事に異議を唱え、同期及び後輩からの意見をまとめ数名で本社に直談判にいきました。この会社では、『意見を言わない件=(イコール)異論なし・賛成』と解釈されるのです。
特別技能手当とは、なんとなく会社に好かれているイエスマンについている様子
本来あるべき有給も利用できない状態ですが、当時はブラック企業が満載の世の中
しかもずっとこの業界にいるスタッフ達はそれがどのお店でも当然のように、むしろ他社の方がもっと待遇が悪いと・・・。全国大手のサロンでは、日割りの売り上げが足りないと自分で自社の販売品を購入しないといけなかったり、ノルマに達しないと休日出勤で電話をかけ続けアポを取り、来店してもらって売る等・・・。
売上の悪い者に、発言権は無い
ただし、売り上げが良ければ待遇も給料も良い
労働基準法とか特定商取引とか・・・ここは日本国
以前働いていた先輩たちと飲みに行くとあるある、中小企業は当たり前、さぁ~頑張って言って(&行って)来いどうせいつ辞めてもいいなら、出来るところまで直談判して納得させて改善させてみろ
それが出来れば次の職場でももっと飛躍できるある意味いいチャンスだろ。俺たちなんて言葉も通じない海外で見よう見まねで勉強させてもらったんだから、お前も大丈夫
と、笑顔で皆さんに叱咤激励 『イエッサー明日から更に頑張ります。一応言葉にも不自由ない場所ですからね』
という事で、頭で考えても仕方がないので日々の業務に日々精進、ノルマに感しては扱っている商材や夜中に皮膚理論などの勉強、そして効果の確認。遠赤外線の約¥100000の補正下着は、社割で購入し着用。他社の補正下着と比較して自分なりの効果も発見。悪い商材ではなかったし、逆に他社と比べて良いと実感できる部分もあり、あとは判りやすく説明の練習。事務処理に関しては簡素化できる様に皆で見直し、役割分担。
結果、納得いかない及び改善の必要がある点などに関しては本社へ
ここまでが、下積み時代の2年間でした。
長くなるので次回はここから4ステップ昇格・昇給するまでを書きますね。
さらに激しくなって行きます。売り上げの奪い合い。パワハラ。同僚ののケンカ。よく泣く新入社員達。スタッフ同士で足の引っ張り合い。エリアマネージャーの派閥争いetc。
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